2016年6月4日土曜日

クラス会議の効果~四日市市教育委員会の調査研究より~

アドラー心理学を応用して、「いじめのない温かい学級づくり」をすすめる手法として「クラス会議」が注目されています。

四日市の教育委員会は、2014年にクラス会議の効果についての研究結果「共同体感覚を育むクラス会議の活用に関する研究」をまとめ、公表しています。

以下4つの項目すべてにおいてクラス会議の実施前と実施後で向上が確認されています。とても興味深いです。

http://www.yokkaichi.ed.jp/e-center/nc3/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=2173

この調査の対象は四日市市内の小学校4年生。男子16名、女子21名の計31名です。

平成25年10月から11月まで2か月間で毎週1回計8回クラス会議を実施しています。

上記アンケートはその実施前と、8回終わった実施後に回答を得て比較しています。

1)自己受容(3.23⤴3.36)
あなたは苦手な部分も含めて自分のことが好きですか...
なたは自分のことを大切にしていますか


2)所属感(3.32⤴3.50)
あなたのクラスは居心地がいいですか
あなたはメンバーの一人であるという気持ちはありますか
あなたはクラスのみんながいてくれてうれしいなと思いますか

3)信頼感(3.063.24)
あなたはクラスで大切にされていると思いますか
あなたはクラスのメンバーを信頼していますか
あなたのクラスは自分達で自分達の問題を解決しようとすることができますか

4)貢献感(3.063.41)
あなたは人のためにはたらくことが好きですか
あなたはクラスのみんなのために役に立つことができると思いますか
あなたはクラスのみんなを大切にしていると思いますか


特に、注目したいのは所属感や貢献感において発言の少なかった発話少数群(1時間当たりの平均発話回数1回未満)の方が値の上昇が顕著だったことです。

このことは、もともとクラスに対する共同体感覚が強い子どもよりも、むしろそうした意識の希薄な子どもたちの方に大きな効果が表われたことを示しています。

クラスの中心的なメンバーよりも、あまり目立たない、口数の少ない子どもの方がむしろ意識が変わった、仲間意識を感じるようになった、ということです。

このことは、クラスの中で疎外感を感じやすい晩期合併症のある小児がん経験者にとっても、朗報といえるのではないでしょうか。

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